歯周病とは
歯周病とは初期段階では歯肉の病気であり、
重度になると歯根を支える骨が溶けて最後には歯が抜けてしまう病気です。
まずは歯周病にならないための予防が重要です。
1本でもあなたの大切な歯を残すこと・・・それが当院の仕事です。
基本的に当院では、歯科医院へは治療に来て頂くのではなく、
虫歯や歯周病にならないために来て頂き、歯の保存を目指すところだと考えております。
当然のことながら歯科治療に際し、お痛みには最大限配慮するとともに、
お忙しい患者様の立場に配慮した虫歯や歯周病治療を行っております。
そして治療後にもう二度と痛い思いをしないですむように、
そしてご自分の歯でいつまでもしっかり噛めるように特に予防歯科に力を入れております。
実は虫歯や歯周病を罹患されても痛みはなく、その上自覚症状も乏しいので注意が必要です。
「でも虫歯になると痛いじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、虫歯の痛みは実は病巣が神経まで到達してしまったことによる「歯髄炎」なのです。 つまり、痛くないから虫歯になっていないということではなく、痛くなってからでは既に悪化して違う病気になっているということです。そこでやはり痛くなる前に定期的に歯科検診を受診して(どの病気でも同じですが)、お口の病気は自然に治ることが少ないので、早期に発見して早期に治療をすることが、大切な歯を守ることにつながるのです。
では定期的に歯科医院へ足を運べば、お口の病気にならないのでしょうか?
残念ながら答えは「否」です。確かに定期的にかかりつけの歯科医院にて専門的なクリーニングを受けることは重要ですが、誰しも毎日歯科医院へ通うことは出来ません。つまり、ブラッシングなど日常のケア無しにお口の健康は語れないのです。極論すれば、皆様の歯を多く残すのは、歯ブラシ1本にかかってきているともいえます。そこで当院の役割は専門的なクリーニングだけではなく、患者様毎に合わせた日頃のケアの仕方を提案することも含まれております。
歯が無くなるのは老化ではありません、実は感染症なのです。
「年だから歯が無くなっても仕方がない」とよく聞きます。歯を失くす2大要因はやはり虫歯と歯周病です。さらに詳しく申し上げれば、虫歯は歯をなくす原因の20%程度でしかなく、残り大半の原因は歯周病であることがわかっております。
実はこれらのお口の病気は厳密には生活習慣病ではなく、細菌による感染が原因です。その感染を防いだり、感染しても早めにしっかりとしたケアを行えば、年齢を重ねてもずっとご自分の歯で美味しい食事が出来るのです。
歯周病の治療方法
ブラッシング指導
一番大切な事は、日頃のホームケア(歯磨き)です。歯周溝にプラークが溜まってしまうと自分ではなかなか落とせないので、歯につき始めたプラークをしっかり落とす事が大切になってきます。歯磨きの際は、現状のブラッシングでどこが磨けていないのかをよく理解して頂いた上でご自分に合ったブラッシングの方法を学んでいただきます。日頃のブラッシングによるプラークコントロールこそが歯周病治療の第一歩です。
スケーリング(歯石除去)
歯石は歯面に付着したプラークに唾液中のリン、カルシウムが混じって石灰化したもので、表面は粗造でプラークが更に付着しやすいような構造をしており、歯に強固に付着しています。そして病原性のあるプラックが付着しやすくなります。スケーリングでは主に、超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用して取り除き、歯の表面をつるつるの状態にし、プラークが付着しにくい状態にします。歯肉の中についている歯石は、そのまま行うと痛みを伴いますので、麻酔をしてでも一番深いところの歯石を取ることを試みます。ここをとらないで表面だけとっても、病気の進行は止められません。
フラップオペレーション(付着療法)
歯槽骨の破壊が大きく、歯周ポケットが深いような箇所はスケーリングだけでは歯石を取り除く事が不可能です。このような場合は、歯肉を外側に開いて歯根を露出させ細かい部分まで歯石を取り除きます。歯茎を切開して骨から剥離させ、直視下で歯石や感染しきった歯茎を取り除き、残った健康な部分を縫い合わせます。
歯周組織再生誘導
歯周病によって破壊された骨は通常再生することはありませんが、上記のフラップオペレーションに加えてゴアテックスやコラーゲンなどの膜を貼り付けたりエナメルマトリックスと呼ばれるたんぱく質を塗布することで、歯周組織の再生を促進させることができます。これは骨も再生できる最新治療で、手術により元の健康な状態と同じ構造で組織を回復させる事ができます。
歯周病予防
~歯周病は顎の骨が溶けて、歯が抜ける怖い病気です~
歯周病とは初期段階では歯肉の病気であり、重度になると歯根を支える骨が溶けて最後には歯が抜けてしまう病気です。
ここまで聞くと歯周病は確かに怖い病気ではありますが、早期の内に歯科医院で発見できれば専門的なクリーニングと日頃の正しいブラッシングで治癒します。
ここでもやはり歯科医院での早期発見とケア、そして皆様の歯ブラシ一本が威力を発揮するのです。
歯ブラシについて
歯ブラシの意義
虫歯に関しても、歯周病に関しても、原因はプラックです。 プラックとは、食事などの食べカスが、口腔内にある細菌により変化したものであり、24~48時間で、食べカスの80%以上が、細菌に変化したものです。
爪楊枝の先くらいの1mgのプラックに約1億匹以上の細菌の塊です。ネバネバした白もしくは黄色っぽいこのプラックが病原性を持つのです。これらのプラックを除去する事により、口腔内の病原性細菌を減少させ、歯磨剤に含有されているフッ素化合物により歯質を強化、炎症部位のブラッシングによる、循環障害の解消による、治療効果が歯ブラシの意義なのです。
歯ブラシの選び方
歯ブラシをする為の、道具を選択する際には、どれでも患者さんの趣味で好きに選んでいいと言うわけにはいきません。
歯ブラシは、口腔内を健康にする為の治療器具であり、予防器具であるからです。
そうだとすると、上記のように患者さんが自分で選ぶものではなく、歯科医療者が必要に応じて、適切な道具を選ばなければいけないのです。
日本人は元々道具が大好きです。
治療器具である歯ブラシを、色々自分達で揃えたり、変えたりする事が多いです。
関心を持ってくれるのは、喜ばしい事ですが往々にして、道具を揃えて満足し、どこかもう治った気になっている方が少なくありません。
道具や、薬剤である歯磨き粉が、治してくれるのではなくそれらを使っている、患者さん達が使いこなしてこそ初めて効果がでるのです。
道具を選ぶ際に、注意する事に数を、やみくもに増やさないということがあります。
これは道具が増えて、歯磨きをする時間が増えるならばいいのですが、往々にして今まで磨いていた、時間内で使う道具が増える為、一つ一つの時間が、短くなる傾向が強いです。
それと、数が増えるとなかなか継続していくのが難しく、結果全てが適当になってしまう可能性があります。 できれば、歯ブラシ一本で、全てが行えれば持ち運びも楽ですし、継続しやすいと思われます。
それでも、どうしても磨ききれない部位がある場合、初めて補助的清掃機具である、他の道具を選択するべきです。
そうなると、必然的に歯ブラシは、各患者さん達によってかなり限定され、あまり好みや趣味で選べる範囲は少なく、せいぜい色くらいになると思われます。
歯ブラシの形状
歯ブラシの選択する際のポイントとしては次のようなものがあります。
- 歯ブラシの大きさ
- 歯ブラシの毛の硬さ
歯ブラシの大きさ
歯ブラシの大きさは、選んだ歯ブラシで全ての口腔内を、磨ける事が可能な物を選ばなければなりません。 歯ブラシのヘッドが大きすぎると、細かい部位、奥の歯は磨きにくく、 小児用やエンドタフトブラシのような小さいブラシでは、磨ける範囲が狭いので、 ブラッシング時間が延長され、磨き残す可能性が高くなります。 その為、歯ブラシの大きさは適度な大きさを、選択する必要があります。 ただ、薬局等で売られている歯ブラシを見てみると、総じて大きいものが多いので、 患者さん達が現在使用している歯ブラシも、大きい可能性が高いです。
歯ブラシの毛の硬さ
歯ブラシの毛の硬さに関しては、磨かなければならない場所を考えると、 必然的に軟らかくなります。 磨かなければならないところは、咬合面、隣接面、歯頸部です。 その中でも隣接面、歯頸部を歯周病予防の為に、磨くとなるとそこに毛先が入りこまないと磨けないので、毛先が変形する必要があります。 硬い毛先だと、変形する事ができず凸部だけを磨く事になります、仮に無理にでも、隣接部や歯頸部の入れようとした場合は、かなりの力で圧をかける事になり、歯肉を傷つけたり歯根露出している場合は、くさび状欠損になったりする可能性があります。 軟らかい毛先の場合、凸部で止まる事なく変形してでも、目的の部位に挿入する事ができ、他の部位を傷つける可能性が低いです。 今まで硬い毛を、好んで使っている人達に軟毛の歯ブラシを薦めると、磨いている気がしないとかすっきりしないという意見を、聞く事があります。 このような意見を人達は、硬い毛でゴシゴシ短時間で磨くのが好きで、それが歯ブラシだと思っています。 この人達の歯ブラシは、磨いている気がしているだけで、磨けていない事が多いです。 ゆえに磨かなければならない場所を、磨かなければ治療としても予防としても、意味がないのです。 上記のような、条件に合う毛の硬さとなると、普通ではまだ隣接などに入れるには、硬すぎるので最低でもソフト、歯肉の炎症がある時は、痛みに対して過敏でもあるのでスーパーソフトを選ぶ必要があると思います。
歯ブラシの交換時期
歯ブラシの交換時期は、歯ブラシの背後から見て、毛先が飛び出てきたら交換時期です。 毛先の開いた、歯ブラシを使用していると、毛先がうまく当てたい所にうまく当たらず仮に長時間磨いても綺麗に、プラックを落とすことができず、歯肉を傷つける危険性もでてきます。 尚、あまりにも短期間の間に、毛先が開いてしまう場合はブラッシング圧が強すぎる可能性が高いのでブラッシングの再指導をする必要が高いです。 目安としては、だいたい二か月で交換するくらいなら、問題ないですが、一か月で毛先が開くよう。 なら要注意です。
歯ブラシの圧について
ゴシゴシ磨くと言う人がいるように、歯ブラシを当てる圧が、強い人がいます。 やみくもに強い力で磨いても、効果がありません。 隣接面など毛先が入りにくい所には一定の圧をかけないと毛先が入らないので圧をかける必要があります。 ただ圧が強すぎる場合、不必要に力が加わらないように、歯ブラシの持ち方が重要になってきます。 全部の指を使ったパームグリップだと、力が入りやすいので、握る指の数を減らす事で、力をぬくようにします。 鉛筆を持つペングリップが、望ましいがそれでも力が入ってしまう人の場合は、二本指でもって貰って行うのが一番力が入りにくいです。 これで力が入らなくなってから、ペングリップに徐々にしていくのがいいと思われます。
歯ブラシの動かし方
歯ブラシを、非常に小さく動かす事が重要です。 軟らかい毛先を選択した場合、細かい所にも毛先が入りやすいのですが、毛先を大きく動かすと目的の部位から、外れやすいという事があります。 外れないようにと、超音波洗浄のようなキャビテーション効果で、プラックを除去できるようにするには目的の部位に差し込んで、小刻みに動かすしかありません。 歯面やポケット内に、当ててこするのではなく、振動させるイメージです。 ゆえに、歯ブラシの幅の分だけ歯牙、部位を磨いて、そこが終わったら歯ブラシの場所を、置き換えてまた行うというやり方になります。
予防の重要性
当院ではむし歯や歯周病になる前の予防歯科を重要と考え、
検診やクリーニング、歯磨き指導などにも力を入れております。